バーバリーのロゴは、ブランドの歴史や進化を象徴する重要な要素です。しかし、2018年に新ロゴへ刷新された際、「伝統を重んじるファンからはダサいと感じる」「モダンで洗練されているとの声もある」など賛否が分かれました。このような多様なロゴの意味や種類を正確に理解することは、ブランドの背景を知る上で重要です。
この記事では、バーバリー ロゴの歴代デザインの変化、新旧ロゴが示すブランド戦略、そしてTBモノグラムの誕生までを網羅します。また、各ロゴに込められた意味や、馬と騎士が象徴するシンボルの役割についても詳しく解説します。さらに、製品を見分けるためのポイントや、デザイン変更が与えた影響についても触れます。
バーバリー ロゴを通してブランドの進化と価値観を深く理解し、あなたの疑問を解消する一助となれば幸いです。
- バーバリー ロゴの歴代デザインの変化とその背景
- 新旧ロゴが示すブランド戦略とデザインの意図
- TBモノグラムや馬と騎士のロゴに込められた意味
- 製品のロゴ種類やタグから見分けるポイント
バーバリー ロゴの歴代デザインについて
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歴代ロゴの新旧比較:進化したポイント
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バーバリーの歴代ロゴは、時代ごとのトレンドやブランド戦略を反映しながら変化してきました。新旧ロゴを比較することで、その進化のポイントが見えてきます。
まず、初期のロゴは1901年に導入された「馬上の騎士」とラテン語の「Prorsum」が象徴的でした。これはブランドの伝統や気品を強調し、クラシックで格式高い印象を与えていました。その後、1968年にデザインが一部簡素化され、ワードマークが主役となることで、視認性が高まりました。この時期は、ブランドのモダンな方向性への移行が始まった時期といえます。
1999年以降は、エレガントさを保ちながらも、ワードマークがより洗練され、フォントや構成のバランスに細かな調整が加えられました。そして、2018年にはモダンで若々しいデザインへと刷新され、サンセリフ体を採用したシンプルでクリーンなロゴになりました。この変化は、デジタル時代の視認性向上や、SNSなどの様々なプラットフォームで効果的に機能することを意識したものです。
さらに、2023年の再デザインでは、従来の直線的で堅い印象から少し柔らかさを持つフォントに変更され、女性的で遊び心のある雰囲気が加わりました。この進化は、バーバリーが次世代の消費者へアピールするための戦略的な変更といえます。
こうした歴代ロゴの進化は、伝統と革新をバランス良く取り入れるバーバリーの姿勢を象徴しています。ブランドの核である上質さを維持しながらも、常に新しい時代に対応したデザインを採用している点が特徴です。
新ロゴはダサい?
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バーバリーの新ロゴについて「ダサい」との意見がある背景には、複数の要因が関わっています。
新ロゴは2018年にリカルド・ティッシの指揮のもと刷新され、従来の騎士マークを廃し、シンプルなサンセリフ体を採用しました。この大胆な変更は、ブランドの現代化とデジタルメディアでの使いやすさを目的としています。しかし、シンプルさゆえに、かつての象徴的なエレメントが削られたことで「無個性」「つまらない」と感じる人もいます。特にバーバリーの伝統的なイメージを愛する層にとって、この変化はブランドの個性が失われたように映るのかもしれません。
一方で、デジタル時代の視認性や多様なメディア対応においては、新ロゴは非常に効果的です。SNSや広告、製品ラベルなど、あらゆる場面で視覚的にわかりやすく、若い世代の消費者にアピールしています。実際に、バーバリーはロゴ変更後、ストリートファッション市場でも注目を集め、ブランドのターゲット層が広がりました。
つまり、新ロゴが「ダサい」と感じるかどうかは、見る人の価値観や背景によって異なります。伝統的なデザインを重視する人には違和感を覚えさせる一方、現代的なミニマルデザインが好きな層には高い評価を受けています。このように、新ロゴに対する評価は賛否が分かれるものの、ブランド戦略としては効果的な変更といえるでしょう。
ロゴの種類と見分け方
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バーバリーのロゴにはいくつかの種類があり、それぞれのロゴには異なるラインや時代を示す意味が込められています。ここでは代表的なロゴの種類と、その見分け方について解説します。
まず、初期のバーバリーのロゴには「馬上の騎士」が描かれ、その旗には「Prorsum(前進)」というラテン語が刻まれていました。このロゴは長い間バーバリーの象徴として愛されましたが、2018年に公式ロゴからは姿を消しました。ただし、現在でも製品のパターンやアクセサリーには使用されることがあります。
また、1999年から2018年にかけて使われたロゴには、Bodoniフォントを基にしたセリフ体の「BURBERRY」ワードマークと「LONDON」などのタグラインがありました。この時期は、視認性とエレガンスを両立させたデザインが特徴的です。
一方で、2018年以降はサンセリフ体を用いたミニマルなロゴが採用され、2023年にはさらに洗練されたフォントへ変更されました。新ロゴは太字で広がりのあるスタイルを持ち、よりモダンかつ柔らかい印象を与えます。
製品ごとに異なるタグやラインを見分けるためには、タグの色や文字の組み合わせに注目することが重要です。例えば、「BURBERRY PRORSUM」と書かれた黒タグは最高級ラインを示し、「BURBERRY LONDON」と書かれたベージュタグは高級ラインを指すことが一般的です。また、2018年以降の製品には多くの場合、白タグが使われています。
こうした違いを理解しておくと、バーバリー製品を購入する際にどのラインに属するものかを見分けやすくなります。特に中古市場での購入時には、タグの色やフォントに注意し、偽物に注意することが重要です。
なぜTBなのか
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バーバリーの新しいモノグラムロゴに使われている「TB」は、ブランドの創設者であるトーマス・バーバリー(Thomas Burberry)のイニシャルに由来しています。これは、バーバリーが2018年にリカルド・ティッシのデザインによってリブランディングを進めた際に導入されました。
このTBモノグラムは、バーバリーの歴史と伝統を現代に再解釈した象徴です。過去のクラシックなデザイン要素を取り入れつつも、現代的なミニマルデザインへと変化させることで、若い世代にもアピールすることを狙っています。ブランドとしての価値と革新性を同時に表現するため、シンプルでありながらも象徴的なデザインが選ばれました。
また、TBモノグラムは製品のパターンやアクセサリーに広く使われるようになり、単なるロゴ以上の存在感を示しています。例えば、スカーフやバッグのパターンには繰り返しデザインされ、ブランドアイデンティティの一部として定着しています。
このようなモノグラムを採用する背景には、近年のファッション界におけるストリートファッションの影響もあります。他のラグジュアリーブランドもシンプルで強い印象を与えるモノグラムデザインを導入しており、バーバリーもこの流れに乗る形でTBモノグラムを採用しました。
TBモノグラムは伝統と現代性の融合を象徴するものであり、トーマス・バーバリーという創設者へのオマージュとして、ブランドの過去と未来を繋ぐ重要な要素となっています。これにより、ブランドはクラシックなイメージを守りつつも新しい世代の消費者に支持される存在へと進化しています。
馬の名前は?
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バーバリーの象徴的な馬を含むロゴは、1901年に導入された「エクエストリアン・ナイト」と呼ばれるデザインの一部です。しかし、特定の「馬の名前」は公式には存在しません。このデザインに登場する馬は、ブランドの価値観や精神を象徴するシンボリックな存在であり、具体的な名前ではなく、その意味に重きを置いています。
この騎馬のロゴは、名誉や勇気、前進を意味する「Prorsum(プローサム)」というラテン語を旗に掲げています。馬自体が力強さと高貴さを象徴し、騎士が持つ盾や槍とともにバーバリーの革新性と防御力を表現していました。
つまり、馬そのものの名前がブランドの公式資料には記載されていないものの、その役割は重要です。このデザインはバーバリーの製品や広告で何十年にもわたり使用され、ブランドの誇りや品格を視覚的に表現してきました。現在、公式ロゴからはこのデザインが削除されましたが、製品の一部やデザインパターンとして残されていることからも、依然としてブランドのアイデンティティに深く関わっています。
したがって、馬の名前が特定されていないことにがっかりする必要はありません。この象徴的な存在は、バーバリーが歩んできた歴史そのものであり、ファッション業界においても特別な意義を持ち続けているのです。
バーバリー ロゴの歴史と進化をたどる
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ロゴの歴史と変化の始まり
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バーバリーのロゴの歴史は、ブランドが誕生した19世紀後半から始まり、時代と共に進化を遂げてきました。最も象徴的な変化が起こったのは1901年、バーバリーが「エクエストリアン・ナイト(騎馬の騎士)」のロゴを公式に採用したときです。このロゴには、ラテン語で「前進」を意味する「Prorsum」という文字が旗に刻まれており、ブランドの革新性と未来への志向を示していました。
1968年には、デザインが洗練され、ロゴから文字や装飾が簡素化される一方で、騎士と馬は引き続きブランドのビジュアルアイデンティティの重要な要素でした。この時期、ファッションブランドとしての確立が進み、エレガントでモダンな印象へと変化しました。
1999年になると、バーバリーはさらに視覚的な調整を行い、エンブレムの輪郭が白に戻され、全体的にプロフェッショナルかつ高級感あふれるデザインが完成しました。しかし、2018年のリブランディングで大きな転換点を迎えます。このとき、象徴的な馬と騎士のエンブレムが公式ロゴから取り除かれ、サンセリフ体のシンプルな文字ロゴが採用されました。ブランドの進歩的なイメージを打ち出すための決定でしたが、伝統を愛するファンからは賛否の声が上がりました。
このようにバーバリーのロゴは、ブランドのアイデンティティや時代のニーズに合わせて変化を続けており、単なるデザイン以上にブランドの成長と進化を象徴する重要な存在といえます。
馬と騎士が象徴するロゴの意味とは
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バーバリーの馬と騎士が描かれたロゴは、「エクエストリアン・ナイト」と呼ばれ、ブランドの伝統や精神を視覚的に表現しています。このデザインには、単なる装飾以上の深い意味が込められており、ブランドの価値観を反映した重要な要素です。
騎士は名誉や品格を象徴し、馬は力強さと優雅さを表します。また、騎士が手に持つ槍(ランス)は革新を意味し、防御の象徴である盾と共に、ブランドが誇る高い品質と機能性を表しています。さらに、旗に書かれた「Prorsum(プローサム)」というラテン語は「前進」を意味し、これはバーバリーが時代に先駆けた革新を目指す姿勢を示しています。
このロゴが長年にわたってバーバリーの製品や広告で使用されたのは、その象徴がブランドのアイデンティティと直結していたからです。特にトレンチコートのような防護性と機能美を兼ね備えた製品において、このロゴは信頼の証として認識されてきました。
2018年に公式ロゴから馬と騎士のデザインが取り除かれた後も、ブランドのパターンやアクセサリーには引き続き使用されており、伝統の象徴としての役割を果たしています。このように、馬と騎士のロゴは、単にバーバリーの歴史を物語るだけでなく、ブランドの未来へと続くストーリーを示すものでもあります。
新ロゴと旧ロゴの違いが示すブランド戦略
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バーバリーの新ロゴと旧ロゴには、ブランドの進化と市場戦略が反映されています。旧ロゴは騎士や「Prorsum」という旗が目立ち、クラシックで高級感あふれる印象が特徴でした。このデザインは長い歴史と伝統を象徴し、格式高い顧客層を意識していました。
一方、新ロゴは2018年に大きく刷新され、シンプルなサンセリフ体に切り替わりました。この変更は、特定の伝統に縛られることなく、現代的なラグジュアリーを表現するためです。さらに、デジタル時代に対応した視認性の高いロゴデザインは、SNSや広告、製品のラベルなど、幅広い場面で効果的に活用されています。
この違いが示すブランド戦略は、単に新規顧客の開拓を目的としたものではなく、既存顧客との関係を維持しながらも、ブランドの競争力を高めるものです。特に若い世代をターゲットとするストリートファッション市場での存在感を高め、バーバリーがグローバル市場で幅広い支持を得るための重要な要素となっています。
TBモノグラムが表すバーバリーの新時代
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TBモノグラムは、バーバリーが2018年に打ち出した大きな変革の象徴です。このデザインは、創設者トーマス・バーバリー(Thomas Burberry)のイニシャルを基にしており、過去のブランドの伝統への敬意を示しながら、現代的な視点で新たに解釈されています。
このモノグラムが表す新時代の特徴は、製品デザインやブランド認知に与える影響です。TBモノグラムは繰り返しパターンとしてバッグやスカーフなどに採用され、若い世代にとって視覚的に親しみやすいデザインとなっています。さらに、ストリートファッションを意識した製品展開によって、伝統的なラグジュアリー層から新しいターゲット層へとブランドの幅を広げました。
また、TBモノグラムは、デジタル展開においても重要な役割を担っています。特にSNSでのビジュアルマーケティングに効果的で、バーバリーの新しいブランドアイデンティティを一目で伝える手段となっています。このモノグラムは、単なるデザインではなく、ブランドの未来を支えるシンボルとして存在感を示しています。
バーバリー ロゴが示すブランドの進化と変革
この記事のポイントをまとめます。
- 1901年に馬上の騎士を描いたクラシックなロゴが導入される
- 騎士のロゴは伝統や名誉を象徴しブランドの高級感を表現する
- 1968年に視認性を重視しロゴが簡素化される
- 1999年にはエレガントなセリフ体のワードマークが主役となる
- 2018年にシンプルなサンセリフ体へと大きく刷新される
- 新ロゴはデジタル対応やSNSでの視認性を考慮した設計である
- 新旧ロゴの違いが若い世代への訴求を強化する結果となる
- TBモノグラムはトーマス・バーバリーのイニシャルを基にする
- モノグラムは製品ラインで繰り返しデザインされ親しまれている
- 伝統を重視する層には新ロゴが「ダサい」と批判される場合がある
- 一方で新しい世代にはモダンで洗練されたデザインと評価される
- 馬と騎士のシンボルは製品デザインの一部として現在も残る
- 最高級ラインは黒タグ、一般ラインはベージュタグで見分ける
- 2018年以降の製品は主に白タグが用いられている
- バーバリーのロゴ変遷はブランドの成長と市場戦略の象徴である